引越の際のトラブルA
荷物の積み残し
どんなトラックを使用するか、また何台使用するかは見積もりを行う営業マンの手腕にかかっているわけですが、時に 見積もりミスを起こすことも考えられます。
最近では増えつつある、メールや電話を利用しての概算見積もりのまま引越業者と契約する場合に多いトラブルのひとつでもあります。
また、これはほとんどの引越業者が当てはまると思われますが、見積もり時に使用する通称ポケコン、「容積換算計算機」に頼りすぎた場合にもこういった荷物の積み残しという結果を招きます。
「ポケコン」は荷物のサイズや数量を打ち込むと、それを容積(立米)に換算してくれるという、とても便利な計算機です。
算出された容積(立米)を元に必要なトラックの大きさ、台数、作業員の人数などを計算していくのです。
引越しについての専門的な知識を持たない者でも、引越しの見積もりができるよう作られています。
しかし、それはあくまで充分な経験を積んだ営業マンが簡易計算にのみ使用すべきで、現地での住居、様々な荷物の形態に合わせての詳細見積もりというのが、本来引越しには不可欠です。
当サイトでもご紹介していますが、最近増えつつある引越しの見積もりサイトを通しての引越業者からの引越料金提示は、この簡易計算によるものです。
よく「ダンボール箱に換算して・・・。」などという記述も見かけますが、素人が荷物を箱に換算することは余程の知識が有るか職業上の経験が無い限り不可能です。
現地での見積もりを行わずに、引越業者と契約するということはお互いに「これぐらいだろう。」という見込みで契約をするということです。
時間が取れない多忙な方も多いとは思いますが、引越業者に荷物を積み残されては元も子もなくなってしまいますから、現地見積もりは可能な限り行うようにしてください。
あらかじめ一車積み切りや大物優先という割引契約をしている場合には、どんな荷物がどのくらい残りそうなのか、作業開始前、または作業中に聞くようにしましょう。
基本的には空で運搬するタンスなどにも、思いのほか荷物を積み込むことができるので、状況によってはそういったこともリクエストするといいと思います。
引越業者は見積もり書に記載された荷物に関しては、引越約款によって必ず運ばなければならないことになっています。
見積もり書に記載されているにも関わらず、当該荷物を積み残されるような場合には業者に対応を求める必要があります。
引越作業責任者と話し合いが難航するようであれば、引越業者の見積もり担当者、または責任ある担当者と連絡をとるようにしてください。
良心的な引越業者であれば、たいてい近くへの引越しであればピストンしてくれるはずなので、まずはお願いしてみてください。
自家用車をお持ちの方は、座卓やカラーボックスなどある程度の家具もご自身で運ぶことができると思います。
そうでない方はご自身で輸送手段を確保しなければなりません。
近くへの引越しであれば、自転車や台車でもなんとかなりそうですが、遠方への引越しの場合には考えねばなりません。
郵便局のゆうパックや各運送会社の宅配などが利用できればいいのですが、荷物の大きさなどに制限があります。
ゆうパックや宅配で送ることができないような大きな荷物、または数が多い場合などは 赤帽さんなど軽自動車の運送業者を利用するのもひとつの手段です。
いずれにしても、せっかく引越業者を利用するのですから納得のいくサービスを受けたいものです。
二度手間、三度手間になるようなことのないように、引越業者とよく話し合ってください。
追加料金
見積もり書に記載された引越料金の他に、特に見積もり書に明示されていなければ、引越業者は引越し当日に追加料金を請求することはできません。
しかし、それには申込者が積地、降し地、荷物の詳細について引越業者に正しい情報を申告している必要があります。
積地での現地見積もりをした場合には、搬出については問題ありませんが、新居の状況については引越業者に正しく伝えておく必要があります。
新居への荷物の搬入について、トラックが進入できない環境にある場合やエレベーターの有無などが考えられます。
場合によっては専用の車両の用意、引越作業員の増員などをしなければならないからです。
また、あらかじめ玄関からの搬出、搬入が困難なもの、分解、組み立てが複雑なものなども分かっている場合には引越業者に伝えておく必要があります。
ただし、新居への荷物の搬入については作業してみなければ分からない部分もあるので、このあたりは引越業者の裁量にまかされている部分もあります。
通常では予測できない作業や機材が必要な場合には、もちろん荷主の許可を得たうえで引越業者は作業、機材の調達をする必要がありますが、こういったものに対する費用の請求は引越約款でも認められています。
クレーンやシャトル、シューターと呼ばれる機材が必要な場合などがこれにあたります。
玄関から搬出、搬入ができなくても、窓やベランダから搬出、搬入ができる場合もあります。
一階であればたいして困難ではありませんが、二階、三階となるにつれ、荷物を破損する可能性も高くなるため、多くの業者はこういった作業に対して別料金を設定しています。
引越しの見積もりはたいてい積地でのみ行われるものなので、新居の玄関、階段が予想外に狭かった場合など、こういった作業が必要になった場合に業者によっては、別料金として請求するところもあります。
見積もり時に確認しておくことをおすすめします。
また、荷物の積み残しのページでもお話しましたが、ピストン輸送を依頼する場合にも金額は低いと思われますが、追加料金として請求される場合もあります。
これは契約時にはっきりさせておくようにしましょう。
他に考えられる追加料金としては、引越しの準備が間に合わず、引越業者が荷造りをした場合などがあります。
これは規模にもよりますが、あからさまに荷物の整理がついていない場合などは引越業者にキャンセルを求められる場合もあります。
この場合にはキャンセル料が発生し、結果として追加料金となってしまいます。
引越しの荷造りはくれぐれも余裕を持って始めるようにしましょう。
もうひとつ注意しなければならないのは、時間制を採用している引越業者も少なからずあるということです。
これは引越業者にとってはメリットの大きいしくみなのですが、利用者にとってはリスクの方が高いといえます。
移動中の時間も含め、休憩時間に至るすべての時間が料金に換算されます。
よほど短時間で終わる引越しか、信頼できる引越業者でなければ、利用しない方が無難だと思われます。
見積もり時間を超過した時間すべてが追加料金として請求されます。
いずれにしても、どんな場合に追加料金が生じるのか、またそれはいくらなのかといったことを、見積もり時に納得のいく説明を引越業者に求めることが重要です。
おまかせプラン・らくらくパックの作業範囲
引越しの荷造りや荷解きはご自身でされる方が多いと思いますが、荷物、または部屋数が多すぎて手に負えない、時間がない、あるいは単に楽したいといった場合には、引越業者のオプションサービスを利用することができます。
一般におまかせプランとからくらくパックと呼ばれる、引越業者による梱包、解梱包サービスです。
梱包のみ、解梱包のみ、部屋指定といったことも引越専門業者であればほとんどが対応しています。
このおまかせプラン、またはらくらくパックというサービスは大手引越業者のテレビCMの影響もあり、広く知られているようですが、利用者に誤解を招くイメージを与えているのも確かです。
サービス名からして引越業者がすべてやってくれるものと思っている方も多いのではないでしょうか。
こういったサービスを利用する際には、その作業範囲や内容を正しく認識している必要があります。
おまかせプラン、またはらくらくパックといったサービスは、あらかじめ家具類に収納されている食器、小物、衣類などを箱詰めし、引越し先にて元に戻していく作業です。
部屋ごと、引き出しごと、棚ごと程度の仕分けはできますが、すべて元の配置に戻すには超人的な記憶力が必要で、まず不可能です。
おまかせ、らくらくといえど最終的には荷主自身の細かい作業が不可欠なのです。
上述のテレビCMでは引越したその日から、普段と変わらない生活ができると宣伝しています。
しかし、考えてみてください。
まったく同じつくりの住居へ引越すのならまだしも、部屋数も家具の配置も違う住居へ引越すのです。
今まで時間をかけて使い勝手のいいように配置してきた家具や小物の収納を、引越しをすることによって一からやり直すのですから、引越し当日から普段と変わらない生活というのは有りえません。
普段と変わらない生活を一日でも早く送れるようにするための究極のお手伝いが、おまかせ、またはらくらくだと思ってください。
荷主は荷造りの際、いるもの、いらないもの、引越し先での配置等の指示を梱包作業員にしなければなりませんし、荷解きの際にもどこに何を配置するのか指示していかねばなりません。
またご自身が使い勝手の良い住居にするのが、このサービスを利用する一番の目的のはずですから、作業には積極的に参加しなければ意味がありません。
サービス名どおりにすべてまかせてしまうと引越作業員のセンス次第の住居となってしまいます。
おまかせ、らくらくというのは、荷主が何もしなくていいというサービスとは意味合いが異なります。
また稀に作業員を「便利屋さん」や「何でも屋さん」もしくは「お手伝いさん」と勘違いされる荷主もいるようです。
また引越業者の見積もり営業マンも、契約の際には「うちは何でもやります。」ぐらい言うかもしれません。
「お皿を洗ってほしい。」や「トイレを掃除してほしい。」などは引越屋さんの仕事ではありません。
おまかせプラン、またはらくらくパックを利用する際の引越業者の仕事は基本的に、梱包、 運搬、解梱包だけです。
このことをきちんと理解しておかないと、契約違反だなんだと引越業者とのトラブルの原因になってしまいます。
さすがに、引越したその日から普段と変わらない生活ができる、とまではいかなくても、翌日普段どおりに会社へ出社できる、学校へ行ける、荷物に埋もれることなく寝れるというぐらいには、こういったサービスを利用することで可能になるのではないかと思います。
快適生活指数があるとして10が最高だとすると、6〜7を引越し当日に提供することができるのが、こういったサービスだと理解していただければよろしいかと思います。
くれぐれも過度の期待は禁物です。
引越しをするのはあくまでご自身だということを忘れてはいけません。